「FIREしたのに、なぜか焦る」
これは私が40代半ばになって強く感じた感情でした。私はすでにFIRE(Financial Independence, Retire Early)を達成しています。
時間の自由もある。
経済的な不安もそれ程大きくない。
それなのに、同世代の友人や知人がキャリアアップし、資産を増やし、社会的地位を高めていく姿を見ると、心がざわつくことがありました。
「自分は本当に正しい選択をしたのだろうか」
そんな思いが頭をよぎります。
焦りの原因は「お金」ではなかった
最初は、自分でも資産の増加が気になっているのだと思っていました。友人が昇進し、年収が上がり、資産がさらに増えていく。
一方で私はFIRE後、大きな収入増加を目指しているわけではありません。
その差を見ると、どこか取り残されたような感覚になるのです。
しかし、よく考えてみると、本当に羨ましかったのはお金そのものではなかったのかもしれません。
むしろ気になっていたのは、
- 仕事で活躍していること
- 周囲から評価されていること
- 社会的地位が上がっていること
- 前進しているように見えること
資産の増加は、その結果として見えているだけだったのです。
FIREすると「競争」から降りることになる
会社員時代には、わかりやすい評価指標がありました。- 昇進
- 年収
- ボーナス
- 肩書き
- 人事評価
しかしFIREすると、そのゲームから降ります。
すると、自分は自由を手に入れたはずなのに、まだ競争を続けている同世代の成果だけが目に入るようになります。
友人知人が部長になった。
役員になった。
会社で重要なポジションを任された。
そんな話を聞くたびに、
「もし自分も働き続けていたらどうなっていただろう」
という考えが浮かんできます。
比較しているのは「現実」と「理想化された未来」
ここで気づいたことがあります。私は自分の現実と、友人の成果だけを比較していました。
友人たちが抱えているかもしれない、
- 長時間労働
- プレッシャー
- 人間関係のストレス
- 健康面の負担
見えているのは結果だけです。
一方、自分については生活の細かな部分まで知っています。
つまり、
「自分の現実」と「他人の成功のハイライト」
を比較していたのです。
これではどうしても自分が不利になります。
焦りの正体は「羨望」ではなく「選択への再評価」
興味深いのは、私自身が働きたいわけではないことです。もし今、
「以前のようにフルタイムで働きますか?」
と聞かれたら、おそらく答えはNOです。
今の生活は気に入っています。
時間の自由も失いたくありません。
つまり私は、友人のような人生を本当に望んでいるわけではないのです。
それでも焦りを感じる理由は何か。
それは、
「自分の選択は正しかったのか」
を他人の成功を見るたびに再検証してしまうからです。
FIREは人生の大きな決断です。
だからこそ、周囲が違う道で成功している姿を見ると、一瞬だけ自分の判断を疑いたくなるのかもしれません。
FIRE後に大切なのは「何を失ったか」ではなく「何を得たか」
FIREをすると、キャリアや肩書きによる評価は減ります。しかし、その代わりに得られるものもあります。
- 自由な時間
- 自分で人生を設計する権利
- 働かなくてもよい選択肢
- 心の余裕
「私は何を失ったのか」
ではなく、
「私は何を得るためにFIREしたのか」
を思い出すのです。
同世代が昇進し、資産を増やしていく姿はこれからも目にするでしょう。
それでも、自分が本当に欲しかったものが自由だったのであれば、その価値は他人の肩書きや資産額によって消えることはありません。
まとめ
FIRE後に同世代と比較して焦りを感じるのは珍しいことではありません。特に40代後半は、友人たちのキャリアや資産形成の成果が見え始める時期です。
しかし、その焦りの正体は「もっと働きたい」ではなく、
「自分の選択は正しかったのか」
という問いである場合が少なくありません。
もしあなたもFIRE後に同じような感情を抱いているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
本当に羨ましいのは、友人の資産でしょうか。
それとも、友人が持っているように見える充実感や成長実感でしょうか。
そして何より、自分がFIREによって手に入れたものは何だったのでしょうか。
その答えが明確であるほど、他人との比較による焦りは少しずつ小さくなっていくはずだと思います。
ご覧いただきありがとうございました。。
